『シルヴィア』(原題:Sylvia) 2003年、イギリス
監督:クリスティン・ジェフズ
脚本:ジョン・ブラウンロウ
撮影:ジョン・トゥーン
出演:グウィネス・パルトロー、ダニエル・クレイグ、ジャレッド・ハリス、
   アミラ・カサール、アンドリュー・ハヴィル、ブライス・ダナー、マイケル・ガンボン 他
物語:ぼくは君を愛せていただろうか・・
   死後、ピュリッツアー賞を受賞した伝説の女性詩人シルヴィア・プラスと夫テッド・ヒューズ。
   二人の詩人の、ある愛の詩。

(映画☆☆☆☆、ダニクレ度☆☆☆☆☆)

もともと陰のある佇まいだけれど黒髪にした時のダニクレは更に倍増する。この陰影。クレイジーブルーがアンニュイに輝くんだよね。声も素敵で、シルヴィアが一瞬で惹かれたのがわかる。それもただの愛じゃない。同志であり、親友であり、そういう愛なんだと思う。あまりにも天才だったふたり。特にテッド・ヒューズの役は大変だったと思う。シルヴィアに同情する声が大きかったろうしね。そんな役を繊細に堂々と演じていたダニクレ。アタシはこの映画のダニクレにやけに惹かれてしまう。なんだろう、あの眼。あの声。佇まい。とんでもなく素晴らしい。映像もシックで芸術映画の香り。

DVDの特典に監督がテッド・ヒューズを演じたダニクレについて「青く鋭い眼が印象的」って言っていて、うわ・・重なる、今の彼と、繋がっているって地味に感動してしまったので、その言葉をここに。


「ダニエルは激しいエネルギーを秘めた俳優だわ。可能性も感じさせるし青く鋭い目が印象的。 とにかく熱意に溢れている。複雑だし陰のあるところなどもテッドヒューズ像に信憑性を加えている。さすらいの芸術家のような気質を持っているしね。そういった激しさや奔放さを演技に投影することで真実味の達成に大きく貢献してくれた」


さすらいの芸術家・・複雑で陰がある・・なぜか沁みた。今の彼はこの時の彼なのだろうか。人は変わっていくけれど、なんとなく複雑で陰があるっていうの、それ、とても感じるんだよね、今も。

テッド・ヒューズが何を言われても沈黙していたのは、この複雑な感受性は誰にもわからないからなんじゃないかな。反論したところで何も真実として伝わらないからなんだと思う。映画を観終わった後、彼の詩を読んでみたくなる。沈黙をしシルヴィアの詩を黙々と出版し続けた後、自身が亡くなる前に出版した「誕生日の手紙」。読むのが怖いけれど、でも、読みたい。読もうと思う。そのくらいダニクレが素晴らしかった。色っぽかった。

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