『星に魅せられて』(原題:Addicted To The Star) 2002年、イギリス・ドイツ・スペイン・オランダ・フィンランド・中国
監督:マイケル・ラドフォード
撮影:パスカル・ラボー
出演:ダニエル・クレイグ、ローランド・ギフト、クレア・アダモソン 他
物語:宇宙飛行士セシル・トーマスは、80光年の旅を終えて、銀河系の外から帰還した。
   彼の胸をよぎるのは家族のことだ。地球は西暦2146年。
   セシルを出迎えたのは、アンドロイドの女性だった・・・
   世界の映画監督15人が、“時間”をテーマに競作した短編集
  「10ミニッツ・オールダー イデアの森」の1本。

(映画☆☆☆☆、ダニクレ度☆☆☆☆☆)

『10ミニッツ・オールダー イデアの森』は10分をテーマにしてベルナルド・ベルトルッチ 『水の寓話』、 マイク・フィギス 『時代×4』、 イジー・メンツェル 『老優の一瞬』、 イシュトヴァン・サボー 『10分後』、 クレール・ドニ 『ジャン=リュック・ナンシーとの対話』、 フォルカー・シュレンドルフ 『啓示されし者』、 マイケル・ラドフォード 『星に魅せられて』、 ジャン=リュック・ゴダール 『時間の闇の中で』という巨匠たちが撮ったオムニバス映画。その中の1本マイケル・ラドフォード監督の『星に魅せられて』という映画で主人公の宇宙飛行士トーマスを演じているダニクレさんです。

というか、まぁ、本当にめっちゃ豪華な監督が集められている奇跡のオムニバスだと思うのだけれど、観てみると、ダニクレさんが出ているからとか関係なく『星に魅せられて』が一番良く出来ていた気がするよ、とても好きだった。泣いたもの。他の作品は10分という時間に縛られた感があって、奇をてらいすぎていたり、コラージュしているだけとか会話だけとかそんなんばかりでですね・・いやでも、ゴダールはホント、相変わらず俺様的な、コラージュの嵐だったねぇ(謎笑)『女と男のいる舗道』のアンナ姐さんの涙は美しいけれどさ。

そんな中でラドフォード監督の『星に魅せられて』は10分という時間の中でシンプルでありながら詩情あふれる物語を広げてくれていて、オチも切なく温かなもので、時間の残酷さと哀しさとが伝わってきて泣けてきた。こういう役、すごくいいよ、ダニクレさん。本当に繊細で好演している。10分しか老けてないのに、地球で待っている息子はすでに老人になってしまっている。ツライね・・切ない・・永遠のような10分。素敵な映画と素敵な演技だった。シャワー浴びていてアンドロイドにピってする場面なんだか好きだった(謎笑)あと、宇宙船の中にいる冒頭の姿がやけに色っぽい。ダニクレだけが放つ独特の色気、ここでもダダ洩れだった。

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