『Jの悲劇』(原題:ENDURING LOVE) 2004年、イギリス
監督:ロジャー・ミッシェル
脚本:ジョー・ペンホール
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
出演:ダニエル・クレイグ、サマンサ・モートン、リス・エヴァンス、ビル・ナイ
   スーザン・リンチ、ジャスティン・サリンジャー、ジャスティン・サリンジャー、ヘレン・マックロリー、
   アンドリュー・リンカーン、アンナ・マックスウェル・マーティン、ベン・ウィショー 他
物語:彫刻家の恋人クレアと郊外の草原でピクニックを楽しむ大学教授のジョー。
   そこへ風にあおられコントロールを失った気球が落下してくる。
   ジョーをはじめ近くに居合わせた4人の男たちが気球を抑えようとロープにしがみつくが、
   ちょうどその時突風が吹き気球が空中に浮上し始めジョーと2人の男はすぐさま手を放し難を逃れるが、
   ただひとりロープにつかまったまま空高く運ばれた男が、みなが見守る中、墜落死する。
   激しくショックを受けるジョー。しかし彼をそれ以上に悩ませることになったのは
   事故の現場で出会ったジェッドという男だった・・・
   ブッカー賞作家イアン・マキューアンの世界的ベストセラー「愛の続き」を映画化。

(映画☆☆☆☆、ダニクレ度☆☆☆☆☆)

パッション』に続きロジャー・ミッシェル監督作。主役の大学教授ジョーを演じてくれています。主演なのでダニクレをたくさん見守ることが出来ます。観始めて思ったのが想像していたのと全然違う。まるでアルベール・ラモリス監督の『赤い風船』みたいに優しい美しさのある映像世界。そこで静かに言葉を投げかけ、頑張って用意したシャンパンを開栓しようとしているダニクレ。インテリで真面目で、愛は脳と言葉で理解するものと説る(けれど、あながち間違いじゃない。心は脳なのだから)

頭でっかちのインテリではあるものの、もともと優しい人だったんだと思う。だから気球につかまった。なんとか助けようとして、でも手を放してしまったことを重い十字架のように背負ってしまう。そのことを悩んでいたので、同じ時にいたジェッドから話しかけられた時、そのことについてだと思いこんでしまっているという話の持って行き方がJとJの互いの脳の誤作動を皮肉っていて面白いのと、ジェッド役のリス・エヴァンスさんについても語りたくなるくらい濃かったのと、彼にストーカーされてノイローゼになっていくダニクレ、このどんどん弱って追い詰められていくダニクレの真骨頂ったらたまんない。

やけ酒しようとしても、あの日のシャンパンは手がつけられないんだな。あと、やたらとストーカーされて、いらついてサラダをぱくつく場面もなんか地味に好き。ガウン姿で眼鏡を外している時もいい。

なんだかんだと、あの亡くなった家族の方の不信も晴らしてあげたり、小難しいこと言っていたのに赤ん坊の姿をみて、愛のシンプルさに気が付いたり。ジョーはいい人なんだよね、クレアのこと大好きなのにね・・(泣)

あぁ、でもでも、とにかく、キスしながらぶっ刺すという最後の最後まで見せ場あり。しかし、安心したのも束の間、エンドロールの後の不気味。ひぇ・・ジョー大丈夫だろうか。幸せになってほしい。心配。

そういえば、ベン・ウィショーさんが生徒役で出ていた。まさかQとボンドになるとは、この時は思いもよらなかったのではないかしら。ビル・ナイさんも出ていてさりげなく豪華映画でもある。

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