「アメリカン・ヒストリーX」

1998年アメリカ映画
監督:トニー・ケイ
脚本:デヴィッド・マッケンナ
出演:エドワード・ノートン
    エドワード・ファーロング
    ビヴァリー・ダンジェロ 他

「怒りは君を幸せにしたか?」

体に怒りを刻むように
デレクの胸には
差別の象徴の印が刻まれていた
根は深かった。
一番感受性が強い時
傷つきすぎた時
その怒りは消えるどころか
加速していく。
自分でも気がつかないうちに加速していく

なにも怖いものはない
そこにはただ怒りがある
それは裸足のままナイフの上を
走るように、
血だらけの刃先の海に堕ちていくように
自分の体と心を無意味に傷つけていって
そして、大切にしたい人まで傷つけていく
その傷は深く深くなるばかりで
まるで終わりがない旅のように感じてきて
傍観者のアタシの胸をきつく縛っていって
体中が苦しくなってきた
まるでデレクの苦しみが伝染してきたように

怒りから生まれた 差別の思想を
言葉にまかせて 息を止めずに
叫び続けるデレクの痛さを実感した時
その言葉の意味とハードな外見とは裏腹に
なんだか急に
デレクが小さな少年のように見えてきた。
頼りなく壊れやすい、その命を
顔をすっぽり両手で覆って
抱きしめたくなってきてしまった。

突然訪れた あの日の朝、
デレクには抱えきれない哀しみが
人生の食卓に用意されてしまった
もう、この世に神なんていないと証明した朝だった

「怒りにまかせるには人生は短すぎる」

この哀しみはどうしたらいいんだろう
もし、どこへももっていけないとしたら
一緒に生きていくしかないの?
でもそんなの痛すぎる
それはまるで心臓を刻むように
バラバラになった何かが飛んでいき
消えていってしまった瞬間のように感じてきて
時間を戻せるなら戻してあげたくなったけど
でも、もう、戻らないんだよね・・

だけど、だけど、アタシは信じたい
きっと彼が自分の足で立ち上がって
心を閉ざさずに歩けることを
きっと、そうなることを・・
そうじゃなきゃ、哀しすぎるよ
哀しすぎるよね


あの日の朝、デレクとダニーが
お店で頼んだドーナツとミルクとコーヒー
でも、食べる場面はなくて、
急いでた朝だったから持ち帰った感じだったけど
なんだかゆっくり食べてほしかったという思いをこめて
ドーナツを作ってみました



[ドーナツ]
 小麦粉260g、ベーキングパウダー小2を
 ふるっておく。卵小2個と砂糖80g、牛乳
 大4〜5をよく混ぜ、ふるった粉類、とかし
 バター大4弱を混ぜ、好きな形にして油で揚
 げて好みで砂糖やシナモンシュガーをたっぷりふる。
 生地がやわらかめなので形作りが
 フニャフニャになってしまったらスプーンで
 落してまんまるに揚げてもカワイイ

  



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