「普通の人々」

1980年アメリカ映画
監督 ロバート・レッド・フォード
出演 ティモシー・ハットン
     ドナルド・サザーランド、メアリー・タイラー・ムーア 他

心には鍵がある
だけど心って正直だったりする
自分でおさえて葬りさったつもりでも
どこかで くすぶってて
何かの瞬間に爆発する
でも、それは普通の感情
あたり前の感情
感情とはいつも明るく楽しいものじゃない
暗くて、哀しくて
怒りもあって
それも感情のひとつ。

この映画は、ある出来事で壊れていく
ひとつの家族を
そっと見つめた映画

ふれると壊れてしまうほどの
繊細な青年。
自分を責め続けて生きてきた。
父親は何かを探して、哀しさと一緒に生きて
母親は自分から逃げている

ふつう。
叫んだり
哀しかったり
何かを壊してしまいたいと思ったり
愛がたりなかったり
愛がほしかったり
苦しんだり
それが普通。
明るくて平穏なだけが
決して普通ではない。

映画を観終わった後
映画館のイスから
立ち上がれなかった
涙とかそういうものより、
なにか違う感情がわきあがってきた。
いつも、なぜ生まれてきてしまったのかと
思っていた。
お前なんか生まれれてこなければ
よかったと親から言われつづけた
自分はどこか変なのかと
思っていた。
何かを表現するたびに
否定され、拒絶された。
だけど、
この映画を観終わったとたん
心のなにかが はずされた。
たくさんある鍵のひとつを
はずされた。
うん、いいんだ。
アタシはこのままでいいんだ。
生きてていいんだ、
そう、言ってもらえたように
映画に抱きしめられた気分だった。

映画が好きでよかった。
この映画に出逢えてよかった。
いつも映画がおしえてくれた。
色んなことをおしえてくれた。

生きてくのは辛いことだけど、
でも、快い。




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