やっぱり映画は映画館だよね。
*星マークが、5:大好き、4:好き、3:キライじゃないよ、2:なんで観たのか、1:時間と金返せ

 「太陽のめざめ」  2015年 フランス

<あらすじ>
6歳だったマロニーは2ヶ月も学校を休んでいることで母親と共にフローランス判事から裁判所に呼び出される。責められて逆上した母親は判事にマロニーを「くれてやる!」と叫ぶと息子を置いて立ち去ってしまった。それから10年、成長したマロニーは問題ばかり起こし再び判事から裁判所に呼び出される。判事は彼に教育係をつけ児童教育支援を受けさせることにしたが・・
カトリーヌ・ドヌーヴ、ロット・パラド、ブノワ・マジメル、サラ・フォレスティエ、
ディアーヌ・ルーセル、エリザベート・マゼヴ、エンゾ・トローレット、アンヌ・スアレ、
クリストフ・メネット、マルタン・ロワズィヨン、ルーシー・ファーシェマル、カトリーヌ・サレ、
リュドビック・ベルティロ、マイケル・マゼロ、マリー・フェモンテス 他 出演
エマニュエル・ベルコ 監督作



<感想>
どこへ行っても居場所がない時はどうしたらいいのだろう。
生まれてきたことを非難されるだけの人生だったら
どこを歩けばいいのだろう。
ぶつかっては叫び暴れてしまうマロニー。
彼の母親もまた毒親なんだと思う。
それなのに彼女に逢いたがる彼の切なさ。
あの日、置いて行かれた彼の流したひと筋の涙。

マロニーのむき出しの怒りを観ているだけで
ハラハラしてしまうし、キリキリしてしまうのだけれど、
触れただけで爆発しそうな彼がフローランス判事や
ヤンやテスたちとのやりとりの中で少しずつ、
ほんの少しずつ気持ちが落ち着いていく姿が自然体で、
なんだか、じわじわ泣けてきてしまうのです。

どんな状況になっても人は人を諦めてはいけない。
ラスト、小さな命を両手で抱えるように大切に抱きしめながら
こちらに歩いてくるマロニー。不安と安心が同じ大きさで揺れ動く。
決してハッピーエンドというわけでもなく
かといってアンハッピーというわけでもなく
ただ願うように見守りたい・・
無責任な言い方かもしれないけれど彼を信じたい
そんな思いでいっぱいになりました。



*2016年12月の或る日、映画館で。




 「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」  2016年 アメリカ

<あらすじ>
物語の舞台は「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」の少し前。 銀河全体を脅かす帝国軍の究極の兵器(デス・スター)。無法者たちによる反乱軍の極秘チーム(ロ―グ・ワン)に加わった女戦士ジン・アーソは、様々な葛藤を抱えながら不可能なミッションに立ち向かう。 その運命のカギは、天才科学者であり、何年も行方不明になっている彼女の父に隠されていた・・・。 ジョージ・ルーカスのアイデアから誕生した初めて描かれるキャラクターたちによる、新たな世界を描いたもうひとつの「スター・ウォーズ」
フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、アラン・テュディック、
ドニー・イェン、チアン・ウェン、ベン・メンデルソーン、フォレスト・ウィテカー、
マッツ・ミケルセン、リズ・アーメッド、ジェームズ・アール・ジョーンズ(声)他 出演
ギャレス・エドワーズ 監督作



<感想>
つまり、これは・・
チアルートとベイズの友情物語がメインの映画だよね?(笑)
もう、そう思っていいよね、ありがとう、たまらんかったよ
ド兄さんとチアン・ウェンさん最高でしょう。
このままチアルートとベイズの外伝をたっぷりと描いてほしいくらい
もう、この二人しか記憶にないのよ・・(笑)
いやいや、面白かったです、とてもね。 でも、前半ちょっと退屈だったのですよ。
しかし後半、『孫文の義士団』よろしく、名もなき人達が心をひとつというよりは、
もう、ここまで来たら行くしかないか・・・というような
一致団結という感じじゃない所が、逆にとても良くて
それぞれのペースや生きてきた過程がある中で、
最後にはいつか役に立つはず・・、誰かには届くはず・・、という
目に観えないけれど確かにある「希望」という願いに命がけでむかっていく
皆の生きざまには、なんだかんだと切なくて胸が熱くなるものがありました。
そんな中での、盲目の戦士チアルートを演じるド兄さん!
棒アクションとか横に脚を出しての蹴りとか強烈で
相変わらず美しいけれど、それ以上に単純に存在そのものが
彼のもともと持っている可愛らしさというのがチアルートにハマっていて
(もちろん彼がハメたのですが)とても素敵で相棒のベイズとの
なんともいえない温度のある関係性がたまらなく愛しかった。
そのベイズ役のチアン・ウェンさんがすごくいい味わい。
ベイズの無骨さとチアルートのチャーミングさだけで
ご飯何杯もいただけるという感じです(笑)

そして、ラスト。 正直、スターウォーズのシリーズに
それほど深い思いれがない自分のようなものでも
これを観ると、本編のシリーズをもう一度観直してみたくなりました。
特にエピソード4は今スグ観たいなあ。
当時は今一つノレずにただなんとなく茶化しながら観ていたけれど
ローグ・ワンを観てからは、真面目に観直してみたいという
心境の変化には自分でもビックリ(笑)
それもこれも、ド兄さんのおかげであります。
彼が出ていなかったら スルーしていた映画でもあるし、
観たからといってつまらなかったら、観直したいとは思わなかったけれど
映画も後半すごく面白かったし、チアルートやベイズが
魅力的だったというのもあって、ちょっぴり世界が広がりました。



*2016年12月の或る日、映画館で。




 「十年 TEN YEARS」  2015年 香港

<あらすじ>
中国共産党に支配された(と思われる)自由が失われてしまった10年後(2025年)の架空の香港。5つの作品が語られる。テロのパフォーマンスを依頼された2人のチンピラの話。標本を作り失われる物の永久保存を続ける男女の狂気。香港の公用語広東語が北京語に取って代わられた香港の日常。雨傘革命から10年後に起きたある事件から振り返った疑似ドキュメント。農産物の香港産を締め出された食材雑貨店主の最後の香港産卵を売る1日の話。そして5つの物語のエンドマークは・・。
クォック・ジョン(郭臻)、ウォン・フェイパン(黄飛鵬)、ジェヴォンズ・アウ(歐文傑)、
キウィ・チョウ(周冠威)、ン・ガーリョン(伍嘉良) 監督作
(ウォン・フェイパン監督の作品タイトルとお名前の漢字表示が文字化けしてしまうので略字で表示しています)




<感想>
「浮瓜」
クォック・ジョン(郭臻)監督作
2人にしてみたら"フリ"をしていればいいはずだったのに
いつの間にか彼らの命そのものが道具にされていた・・
オムニバス映画の一番最初に軽めでいい感じだなと
最初はリラックスしていたのだけれど結果的にとても怖かった。
だって、本当にありそうな話なのだもの。

「冬蝉」
ウォン・フェイパン(黄飛鵬)監督作
何かをそのまま保存しておきたいという行為は
未来を閉じてしまうことだ。 ふたりが集めた欠片たち。
今、この世界が終わってしまうかもしれないのなら
そのまま保存しておきたいという思いは
ついには自分自身もこのまま残しておきたいという狂気。
個人的にはもともと標本というものは、
なんて残酷なことなのだろうと思っていたけれど
それがダイレクトに伝わってくる。
誰かが勝手に生きものたちのことを論ずる、
わかった風に言う、鳴き声には意味はないということ。
感情は無視され、すべてのことには意味はなく
ただの無感覚の行動でしかないというのなら
なぜ、こんなにも哀しいのでしょう。
声なき声だって心のまん真ん中にある意志のある声なんだよ、
聴こえなかったら関係ないというのは違うよ、という
静かな声のようで、心に残るものがありました。

「方言」
ジェヴォンズ・アウ(歐文傑)監督作
これは、映画を観終わった後の 福島さんのトーク を聞くと
一番、現実的なものを感じた話でした。
作品そのものに流れるリズムはユーモラスでありながらも
普通語(中国語・北京語)を話せないと
仕事にありつけなくなるという
日常に寄り添った哀しさというか恐怖心を感じさせる、
ちょっとしたブラックコメディ。
広東語は方言ではなかったはずなのに
いつの間にか方言にされてしまう。
最初は広東語で話していた自分の子供も
最後には普通語で話すところとか
いやぁ、なんか、コメディ調なのに切ない。
というか映画の内容とは関係ないんだけど、
今でも「ベッカム」という単語が出てくると ちょいとウレシイ(笑)

「自焚者」
キウィ・チョウ(周冠威)監督作
イギリス領事館の前で焼身自殺をした人は誰なのか・・
という視点から、ドキュメンタリのような手法で始まる物語。
まさに雨傘運動のような抗議活動をしている若い人たちと
まわりの色んな人たち。それぞれがそれぞれの思いがある中での
あのラストシーンは、もう、涙、涙でした。
シーンの残像が瞼の裏に今でもゆらゆらゆれている。
タマゴをぶつけられて、その汚れをふくために
テッシュをもらった青年が、そのテッシュを自分に使わずに
タマゴをぶつけた人に手渡そうとする場面
そして、長く生きてきたからこそ、
その眸でたくさんの絶望を観てきたであろう、
その人の小さな小さな後ろ姿と燻る傘の芯。
思い出しただけでも、涙があふれてきてしまう。
絶望しかないのだろうか。
その声は、その抗議は、どこに届くのだろうか。
あまりにも哀しい。胸がくるしい・・

「本地蛋」
ン・ガーリョン(伍嘉良)監督作
香港産のタマゴがなくなる日。
香港で最後の香港産のタマゴを売る
小さな個人店の店主の一日を描いている話。
彼の息子も含めた少年たちはまるで
文化大革命の時のような紅衛兵になって
命令のまま何も考えずロボットのように
与えられた禁止ワードを摘発していくという感じで
なんだか空恐ろしい展開になるのかなとソワソワしたけれど
店主の息子はちゃんと自分で考えていました。
彼は彼の判断で、禁止ワードは間違っていると思い
独自で行動して本屋さんを助けていたのですよね。
この展開には一筋の光というか明るさが感じられ
同時に、与えられた情報や、他人の評判や噂だけで判断しないで
自分の目で観て、感じて、たとえ少数派でも、
自分の正しいと思うことをしようという・・そんな
忘れがちになりそうなことを思い出させてくれます。
アタシたちは、時々やってしまう。皆がそうしているから、と。
何も考えずに、それが間違っているかもしれないのに
それが誤解かもしれないのに、ただなんとなく誰かの話に同調したり
個人的にはなんの恨みもなかったはずなのに、
メンドクサイから 皆と口裏をあわせて、誰かを判断してしまったり。
他人事じゃない、すべてのことにつながることを、
この話から受けとることが出来ました。
それにしても、本屋さんというのがね、実際、香港の本屋さんが
急にどこかへ消えたというニュースもあって心配だったし、
これまた、リアルさを感じたりして、ちょっと怖い・・。

どの話も、とても良く出来ていて
それぞれ個性があって単純にひとつの映画としても好きです。
と同時に、作り話ではあるものの どこか絵空事じゃない現実味もあって、
不安な気持ちが後をついてくるようで、たまらなくなりました。
それでも、 ラストの「もう遅すぎる」から 「まだ遅すぎはしない」 に変わった瞬間、
少しだけざわついた気持ちが落ち着いた。
というか、その言葉にすがりつきたい・・
そんな思いが願いのようにじわじわとあふれてきました。



*2016年11月の或る日、映画祭のホールで。




 「シング・ストリート 未来へのうた」  2015年 アイルランド、イギリス、アメリカ

<あらすじ>
1985年、大不況のダブリン。人生14年、どん底を迎えるコナー。父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのMVをテレビで見ている時だけがハッピーだ。ある日、街で見かけたラフィナの大人びた美しさにひと目で心を撃ち抜かれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮ると決意、猛練習&曲作りの日々が始まった・・。
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ジャック・レイナー、ルーシー・ボーイントン、
エイダン・ギレン、マリア・ドイル・ケネディ、ケリー・ソーントン、
ベン・キャロラン、マーク・マッケンナ、パーシー・チャンブルカ、コナー・ハミルトン、
カール・ライス、ドン・ウィチャリー、イアン・ケニー、リディア・マクギネス 他 出演
ジョン・カーニー 監督作



<感想>
デュラン・デュランがいた80年代。
アイルランドの片隅で、離婚をするのさえ難しかったらしいその場所で。
自分の人生は自分で好きなようにアクセルふめばいいと歌う
コナーを見つめながら 考えてみた。
これだけダラダラと生き恥をさらしてきた自分は
果たして自分の思いのままに生きてきたのだろうか
理不尽なものに対して泣き寝入りをしてしまったり
本当の思いとは全く違う場所まで
心を連れてきてしまってはいなかったろうか、と。
だから、コナーがやりたいことをやり、言いたいことを放ち
泣きだしそうな恋をして、リスクなどへっちゃらで
最後は自分の行きたいところへ行きたい人と
荒波を越えて航海する姿がやけに眩しくて。
それゆえになんだか逆にコナーのお兄ちゃんの方に共感してしまうな。

クソみたいな時代に生まれてクソみたいな環境でも
誰に遠慮することもないんだよ、やりたいことをやろう
絶望の中にも美しさや優しさをみつけることだって出来るはずだし
出来るんだとすべての人への応援歌のような映画。
個人的にはウサギ好きのエイモンが好きだったなあ。
彼もまた、お兄ちゃんと同じく自分の夢をコナーにたくしていた。
コナーのまわりには、そんな人たちがたくさんいた。
まるで彼そのものが皆の音楽のように夢のような人だった。



*2016年11月の或る日、映画館で。




 「ハドソン川の奇跡」  2016年 アメリカ

<あらすじ>
09年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでコントロールを失う。機長のチェズレイ・サリー・サレンバーガーは必死に機体を制御し、ハドソン川に着水させることに成功。その後も浸水する機体から乗客の誘導を指揮し、全員が事故から生還する。サリー機長は一躍、国民的英雄として称賛される。だが、その判断が正しかったのか国家運輸安全委員会の厳しい追及が彼を待っていたのだった。2009年のアメリカ・ニューヨークで起こり、奇跡的な生還劇として世界に広く報道された航空機事故を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記をもとに映画化。
トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー、
ジェフ・コーバー、オータム・リーサー、サム・ハンティントン、
クリス・バウアー、ジェリー・フェレーラ、ホルト・マッキャラニー、
マックス・アドラー、ヴァレリー・マハフェイ 他 出演
クリント・イーストウッド 監督作



<感想>
機長のサリーと副機長のジェフの公聴会のラストシーン
ジェフの言葉に映画の中の住人たちと一緒になって
観客組のアタシも思わず微笑んでいたのだけれど、
帰りみち、降ったり止んだりのじれったい雨の中を歩きながら
もう一度、あのラストを思い出していたら
なぜだか、涙が溢れてきてしまいました。
思えば、あの思わず笑えたあの場面は、ひとり残らず全員が
無事だったからこそ言える言葉なのだと気がつき、
あまりにも深い深いことだったのだと、
後からじわじわと沁みてきてしまって、泣けてきてしまった。
だって、ひとりでも亡くなっていたら
絶対に言えないもの、絶対に笑えないんだものね。

派手な場面もなければ、印象的な映像もないけれど
邦題の「奇跡」という言葉がある意味失礼なのではと思えるほど
決して奇跡ではなくて、エンジン故障が起きてから、
ほんの少しの短いチャンスの中で即座に判断して確固たる確信の中で実行して
着水したのだということ、そうして、その155人のすべての命は
機長のサリーだけではなくて彼を信頼してバックアップした副機長のジェフ、
なんとか墜落しないようにとしてくれた管制室、
着水してから即座に救助にあたった警備隊など
すべての人達の力があわさったからこそなのだよということを
とても丁寧に描いてくれていたので、サリー機長すごい!という・・
いや、もちろん、あの非常事態に着水って、とんでもなくぶっ飛んでいる技術で
ものスゴいことなのですが、でも、彼だけの凄さを語るだけの
そんなノリだけの英雄ものにしなかったという所に、この映画の実直さを感じます。
それはある意味、映画作りとも似ている。
すべての力があわさってこそ、いい映画が生まれるのだから。

どこか軽やかな観やすさや、まさか無事に着水したその後に、
サリー機長があんな形で疑惑を向けられて、その行く末はもしかしたら
『羅生門』的な展開にもなるのだろうかというような
ちょっとしたスリルもありで、最後まで目が離せませんでした。
それにしても、なんだかんだと、いい役者が揃っているなあと
改めて思うですね。まぁ、トム・ハンクスさんは相変わらずいいですが
やはりガオ的にはアーロンさん、副機長ジェフのアーロン・エッカートさんですよ!
いい映画でいい役を演じてくれて、色々ひと安心ですよ(笑)素敵でした。
久しぶりに本物の映画を観た気分でいっぱいです。



*2016年9月の或る日、映画館で。




 「気狂いピエロ」  1965年 フランス・イタリア

<あらすじ>
フェルディナンは金持ちの妻との生活に退屈し逃げ出したい衝動に駆られていた。そんなある夜、夫婦がパーティに出かけるため、幼い娘のベビーシッターがやって来る。彼女はなんと、かつての恋人マリアンヌだった。パーティを抜け出し、1人で帰宅したフェルディナンは、彼女を車で送り、そのまま一夜を共にする。翌朝目覚めると、彼女の部屋に、首にハサミを突き立てられた男の死体が。驚く彼とは裏腹に平然と朝食を作り歌うマリアンヌ。そして・・・
マスターポジ消失のため今回撮影ネガをデジタル化、新たな音ネガも復元したデジタル・リストア版を寺尾次郎が新訳。
ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ、グライツィラ・ガルヴァーニ、
ダーク・サンダース、サミュエル・フラー、ジミー・カルービ、レイモン・ドボス、
ラズロ・サボ、ロジュ・デュトワ、ハンス・メイヤー、ジャン=ピエール・レオー 他 出演
ジャン=リュック・ゴダール 監督作



<感想>
気持ちいい。何もかもが呼吸しているよう。
こうやって好き勝手なものを予測不能で
色んなとこから投げつけてくれる映画は愉しくてしかたがない。
だって、理解なんかしなくてもいい自由をくれるのだもの。
まるで、その映画と遊んでいるみたいでワクワクしてしまう。

映像を掃除し直して、新しい訳で再び蘇った
フェルディナンとマリアンヌ。 でも、役名など、どうでもいい。
カッコよすぎるベルモンド兄ぃと
美しくて可愛いすぎるアンナねえさん!
もう、この二人を ただ追いかけて眺めているだけで、うれしい。

青と、黄色と、赤と、緑と、滑稽と、永遠と。
ラストシーンは何度観ても、ひゃー!ってなる。
まったくもって、滑稽で、あまりにも呆気にとられ
そうして、次の瞬間、バカみたいに美しくてね。
たまんない、たまらないね。



*2016年9月の或る日、映画館で。




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