「ソフィーの選択」

1982年アメリカ映画
監督 アラン・J・バグラ
出演 メリル・ストリープ
   ケビン・クライン、ピーター・マクニコル 他

「今夜はシャンパンをあけよっか?」

シャンパンなんて、めったに飲まないけれど、
時々すごく飲みたくなる。
飲むたびに
じんわり思い出すのが 橋の上の乾杯。
そして、この映画は
とても悲しく恐い映画。
人間の恐ろしさが、
どしんどしんと 歩いてくる。 
だけど、あの橋の上の乾杯は、たぶん自分が
今まで観た映画の中でも、
美しく素晴らしい、おおげさかも しれないけれど、
あの短いシーンを思い出すだけで生きていける、
そう思えるほどだ。

暗い戦争の過去のある女、ソフィー
心を病んでるネイサン
若く、小説家を夢みるスティンゴ

スティンゴは、なぜかソフィーとネイサンに心ひかれていく。
ある日、書きかけの小説をネイサンが
子供のように取り上げて 読んでしまう。
蒼く大きな夜の橋の上に、
ネイサンを真ん中に肩をくんで
歩いてくる三人。
ネイサンは懐の中から二人にグラスを手渡し、
無言でシャンパンを注ぐ。
そして、橋の上に高々と登り
ネイサンはスティンゴに祝福の言葉を心から贈り
グラスを大きな川に投げ捨てる。
友達のために。
その時だけのために。
シャンパンの意味を心で感じた。

お酒は悲しい時に飲むものではない。
喜びのために飲むんだ、と。
暗い闇の中にまるで光がさしたように。
醜い人間が美しく思えるこの場面。

今夜はシャンパンをあけよう。




[シャンパン]
発砲性ワインをまとめた呼び方が
シャンパンと思ってる人、多くないですか?
実は、シャンパンとはシャンパーニュ地
方で作られたものだけのことをいうんだ
って。酵母と砂糖をまぜて二次発酵した
ときにできる炭酸ガスをつめたものが、
シャンパーニュ方式(シャンパン)なん
だって。だから、もしかしたら映画の中で
三人が飲んでたのは、シャンパンじゃないかも?(笑)



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