ウチでゆっくり映画観るのもいいもんだよね。
*にゃんこマークが、5:永久保存、4:大好き、3:キライじゃないけれど上から別の映画入れちゃえ、2:早送り、1:消去

 

 「ベルリンファイル」(2013年・韓国)

<あらすじ>
北朝鮮諜報員ジョンソンは、アラブ組織との武器取引現場を韓国情報院のエージェント、ジンスにかぎつけられ、からくもその場から脱出。なぜ取引の情報が南側に漏れたのか疑問を抱くが、ほどなくしてジョンソンの妻ジョンヒに二重スパイ疑惑が浮上する。やがてジョンソン自身も巨大な陰謀に巻き込まれていき、CIAや中東諸国、ドイツの諜報機関までが事態に介入し、さまざまな思惑がベルリンで交錯する・・
ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、チョン・ジヒョン、リュ・スンボム 他 出演
リュ・スンワン 監督作


<感想>
なかなかスリリングで白黒つかない感じの関係性とかも面白かったのだけれど
ハン・ソッキュさんが演技も役柄的にも『シュリ』のその後みたいな感じで
その視点から観てしまったので、勝手に脳内で物語を作って観てしまいました(笑)
それにしてもハ・ジョンウさんはひじょーにカッコイイし、
リュ・スンボムさんは悪役の演技がちょっぴりクサイけれど個性は面白いし、
チョン・ジヒョンさんはピリピリしていてどこか哀しい感じが伝わってきて良かったし
銃の撃ち方もアクション全体も骨太でガッツリしていて観応えあるし
善悪ではない根っこの感情とやり遂げなければいけないものへのジレンマや
ロボットではなく人間だからこその敵や味方ということでは量れないものとか、
そんなものが速やかに描かれていて、うん、やっぱり韓国映画の底力ってスゴイし
役者の腕前も何もかもがハイレベルだわって思ったりもしてしまう。
だからこそ、あのオチはとても残念だったり。いや、悪くはないけれども
何かこう、せっかく面白かったのにとても安っぽいオチ。
もう少し腹黒いオチだったら痺れまくっていたはずなので、惜しい。
でもこれはあくまでもアタシの好みなので。映画はとてもいいです。
というか、あれ、冒頭の方で出てきた魚の中に色々隠してあるやつ。
なぜか、あの場面が忘れられない。だってなんか、みょーにリアルなんだもん(笑)


CSにて鑑賞



 

 「最強のふたり」(2011年・フランス)

<あらすじ>
パラグライダーの事故のために首から下が不自由になり、車いす生活を送る大富豪フィリップ。介護者募集の面接にアフリカ系青年ドリスがやって来る。ドリスは不採用の証明書3枚で支給される失業手当が目的だったが、フィリップは彼を気に入って介護者に採用。介護の訓練が始まるが、マイペースのドリス。しかし、傲慢で気難しいフィリップに対してドリスがシニカルなユーモアや深い教養を示すうち、2人の間に友情が芽生えていく・・・。 2003年にフランスで放送されたTVドキュメンタリーに感銘を受けた監督のE・トレダノとO・ナカシュが、実在する富豪フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴの体験を映画化。
フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ 他 出演
エリック・トレダノ、 オリヴィエ・ナカシュ 監督作


<感想>
これ、すごく評判よかったでしょう。
おまけにウンザリするほどの手垢のついた内容ではないですか。
更に実話をもとにしているとか言われてしまうと
なんだか観る気がドカンと失せるじゃないですか(笑)
なので、なかなか手をつけないでいたのですが、 やはり気になっていたので、
CSで放映してくれていたのを録画して観てみましたら・・
ガッツリ泣きました。はい、あまりにもあっさりとオチました(笑)
いや、特に音楽のあの場面とか、クサクサなんだけれど うまいよねぇ、泣いちゃう。
手紙をやりしていたひとと待ち合わせしていて
逢わずに帰ってしまうところも、繊細な感情がとても伝わってくる。
介護ではなく友だちが欲しかった。何もかもが正反対のふたりだけれど、
まさに最強のふたりなんだね。 というか、気を遣うって全然悪いことじゃない。
身体を自由に動かせない相手が目の前にいたら気を遣うだろうし、
自分だけ楽しんじゃいけないと、どこかでブレーキをかけてしまうし、
何か自分に出来ることで手伝いたいと思うのはごく当たり前の反応だと思う。
でも、それが、自分も気がつかないうちに相手を傷つけるのね。
知らず知らずパワー関係になるというか、何か違うものになる。
互いに今生きている同じ立場の命たちというのを忘れてしまう。
だからこそ、傷つけてしまうんだと思う。 ボランティアをしている人たちにありがちなこと。
相手のために尽くしていると思っていると 気がつかないうちに違うものに変化してしまう。
そのことをハートフルにポンっと教えてくれる映画でもありました。


CSにて鑑賞



 

 「嘆きのピエタ」(2012年・韓国)

<あらすじ>
身寄りもなく、ずっと一人で生きてきたイ・ガンドは極悪非道な借金取り立て屋として債務者たちから恐れられていた。そんな彼の前に母親だと名乗る女性が突如現われ当初は疑念を抱くガンドだったが、女性から注がれる愛情に次第に心を開いていく。生まれて初めて母の愛を知った彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先に女性の行方がわからなくなってしまい・・
イ・ジョンジン、チョ・ミンス 他 出演
キム・ギドク 監督作


<感想>
情ってやつが生まれてきちゃうのが人間の哀しさ。
復讐のために逢いに行ったのにそいつは本当に血も涙もないって感じなのに
ひとつ屋根の下で生活をしてみると、まさかの感情が住み着いてしまう。
思えばどんな人だって生まれた時から悪魔ではないのだから。
セーターを自分のものだと思いこんでいるの切なかった。
そして、相手にそんな気持ちにさせたということは復讐としては
ものすごく大成功したというのに情が可哀想って思わせてしまう。
計画は成功しても、感情だけは物差しでは測れないものね。


CSにて鑑賞



 

 「悪い男」(2001年・韓国)

<あらすじ>
街で見かけた女子大生ソナに一目惚れした孤独なヤクザ、ハンギ。だが、ソナに侮蔑的にあしらわれたハンギは、自分が仕切る売春宿にソナが売り飛ばされるよう画策し始める・・・
チョ・ジェヒョン、ソ・ウォン 他 出演
キム・ギドク 監督作


<感想>
悪い男っていう以前に、気持ち悪い男である。
確かに優しいところもあるよ、弟分みたいな奴を庇うとことか。
でも、こんなん実際いたら、どうなのよって感じ。
これも愛の形なのでせうか。 いわゆる自分の傍に置いておきたいがために
借金を背負わせ身体を売らせ、眺めているのも愛なのか・・
しかしですね、面白くて観入ってしまうのです、奇妙ね。
ラストとかも、ソナちゃん、それでいいのか、
いい具合に都合のいい女にされちまっているぞ、目を覚ませ!とか、
うっかり言いそうになるけれど、二人がそれでいいならいいじゃんとなるし
ハンギとソナがしゃがんでいる雑然とした海が効果的で、
なんだかすべてを受け入れてあげたくなる不思議。
けど、案外、究極なのかも。 だって、ある意味愛って錯覚で束縛じゃん。
自分の都合のいいように愛しているだけじゃん。
ってことは、やはり、これも愛なのか。 あぁイヤだ、
もう愛って、なんなんだって、うっかり 青臭いこと言いたくなる!(笑)
で、思った。キム・ギドク監督って女に夢を持ちすぎて
要求が甘ったれすぎなのかもしれませんね、ってことを。


DVDにて鑑賞



 

 「よく知りもしないくせに」(2009年・韓国)

<あらすじ>
映画祭に審査員として赴いた映画監督ギョンナム。浮かれた雰囲気に流され映画祭のコーディネーターの女性が気になりながら痛飲する日々。そこに旧友サンヨンが現れた。サンヨンの家でその妻と飲み明かし二日酔いのままホテルで目覚めたギョンナムに届いた「二度と自分の前に現れないでくれ」というサンヨンからのメッセージ。理由もわからず戸惑うギョンナム。さらに映画祭のコーディネーターのヒョニからは酔いつぶれた自分を部屋に置き去りにしたことを責められた。訳も分からず映画祭から逃げ出した数日後、済州島に向かったギョンナム。またもや遭遇する自らの過去。そして・・
キム・テウ、コ・ヒョンジョン、オム・ジウォン 他 出演
ホン・サンス監督作


<感想>
ホン・サンス監督の映画って何もかもが似ている。
だいたいの映画が主役の映画監督な男が情けなくて、だらしなくてさ
これといったことが起こらない。なのになぜか気がつけばクセになる。
こう、なんだか、たまらんって感じなのです(笑)
焼酎飲んで、酔っ払って、映画の話をして、上映会では批判されてムキになって
なんだかんだと、あれやこれやがダラダラと、でも、なぜか、
そのダラダラ感が 不規則だけれど妙に聴き心地のよい音楽のように気持ちいい。
ギョンナムの先輩の画家の妻になっていた昔の恋人スンが ギョンナムが
もやしスープ食べている姿を観て逢って寝たくなるのも
ラストの砂浜での二人の会話も、なんとなくうんうん、そうそう、と思いながら観てしまう。
「どうして?」と聞く男に女だって男と同じ(ただ逢って寝たくなる時もある)
「よく知りもしないくせに」という女に男が「確かにそうだよな」って感じになる、あの感じ。
いいね、なんか、いいよね。


DVDにて鑑賞



 

 「愛してる、愛してない」(2011年・韓国)

<あらすじ>
それぞれ写真家と編集者として成功を収めている結婚5年目の夫婦は、出張で空港に送ってもらう車の中、妻が突然夫に別れ話を切り出す。数日後のある雨の日、出て行く妻のため、夫は黙って荷造りを手伝うが、これまでの暮らしに思いをめぐらす妻の手はなかなか進まない。そんな時、雨に濡れた一匹の子ネコが家に迷い込んできて・・
ヒョンビン、イム・スジョン 他 出演
イ・ユンギ 監督作


<感想>
優しすぎる男はかえって困っちゃうし責めてくれた方が楽なのに
こんな優しいのんは去る立場としては辛いよねぇというのは
とてもわかる気もするのでイチイチ煙草の火まで
つけてくれちゃう彼に対してボンボンっと二回叩くあの場面は
二人のもどかしさとすれ違う感情が伝わってきてグっときたりもした。

雨の中、部屋で出ていく人と見送らなければいけない人が
過ごしている時の空気感。ラストの玉ねぎの後の蛇口の場面。
あぁ・・彼がもっと自分の感情をぶつけることが出来る人だったら
怒っても何も変わらない仕方がないとしまい込んでしまう感情が
蛇口から出てくる水の音と涙なのかもしれないその苦みや
彼女がパスタを盛りつけながら迷いこんできた子猫を静かに
おどかさないように見つめながら、大丈夫、きっと・・と
これからのことに願う場面など・・雨の日に丁寧に見守らなければ
気が付かない繊細な場面の重なりが繰り返されていて沁みてしまった。

ふたりで過ごした過ぎ去った日々やこれからのふたりの別々の日々に
思いをはせてしまう。旅立つ人は行くべき場所があるけれど
残されてしまう人はどうなるのだろう。心の雨がやみますように・・



Gyao!にて鑑賞



inserted by FC2 system