ウチでゆっくり映画観るのもいいもんだよね。
*にゃんこマークが、5:永久保存、4:大好き、3:キライじゃないけれど上から別の映画入れちゃえ、2:早送り、1:消去

 

 「イップ・マン 最終章」(2013年・香港)

<あらすじ>
1949年、中国から単身香港へと渡ったイップ・マンは庶民を相手に詠春拳を教えていたが中国と香港の国境管制により中国に残した愛妻ウィンセンに会える機会を失ってしまう。やがてウィンセンは亡くなり、その死に立ち会うことができずに途方に暮れたイップ・マンだったが以前からひかれていた歌手ジェニーに亡き妻の面影を見出し次第に親しくなっていく。そんなある時、スラム街・九龍城で開かれる闇試合に巻き込まれた弟子を助けるため、イップ・マンは他の弟子を引き連れ九龍城に乗りこむ・・。
アンソニー・ウォン、ジリアン・チョン、ジョーダン・チャン、エリック・ツァン、アニタ・ユン、
チョウ・チュウチュウ、ホン・ヤンヤン、ケン・ロー、イップ・チュン 他 出演
ハーマン・ヤウ監督作


<感想>
『イップ・マン 最終章』というタイトルなので
てっきりド兄さんの『イップ・マン 葉問』の続編なのかと
勝手に思いこんでいたら違うのですね、別バージョンで
『イップ・マン 誕生』というのがあってその続編らしい・・
もう、どこもかしこも葉問だらけでよくわからんのですが(笑)
この映画には葉問(イップ・マン)の息子さんの
葉準(イップ・チュン)さんが店主役で出演してくれています。
アンソニー・ウォンさんの葉問師父。最初はアンソニーさんだと
少し大柄な感じがしてしまってイメージなかったのだけれど
枯れていく葉問師父を体現してくれていてなにやら色気すら漂います。
弟子の中に心の狭い子たちがいたのでお弁当の彼女が可哀想。
それにしても優しいなあ、葉問師父。ラストは李小龍が出てきて
彼是世話をやこうとするものの、すべて断る師父。
でも、血を吐く彼は何か遺したいと思ったのでしょう。
自分自身の動画は撮っておこうと撮っているのがとてもいい。
詠春拳を遺したいという思いが伝わってきて
彼の欲のなさや 真面目さが相変わらず素敵だなと思うのでした。
実際の葉問師父が魅力的なのもあるし、ド兄さん、トニーさん、
アンソニーさんが巧いのでそれぞれの葉問が好きになりました。
それにしてもウィンセン役のアニタ・ユンさんが懐かしい。
名作『つきせぬ想い』や愛すべき『月夜の願い』で記憶が停止していたので
わぁ・・あのアニタ・ユンさんが奥さま役なのかあ・・と
時の流れを感じました。相変わらず大きな黒い瞳はキュートです。
エリックのとっつぁんは印象全然変わらんけどね(笑)


CSにて鑑賞



 

 「そして父になる」(2013年・日本)

<あらすじ>
野々宮良多は一流大学を卒業し、大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで妻のみどりや6歳の息子・慶多と暮らしていた。ある日、6年前にみどりが慶多を出産した出身地・群馬県の病院で赤ん坊の取り違えがあったことが発覚し、DNA検査の結果、慶多が他人の子どもだったと判明。野々宮夫妻と群馬県で小さな電気店を営む斎木夫妻が病院の仲介で会うことになるが、彼らの身なりとがさつな態度に良多は眉をひそめてしまい・・
福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー 二宮慶多、黄升R、
夏八木勲、風吹ジュン、樹木希林、田中哲司、高橋和也 他 出演
是枝裕和 監督作


<感想>
家族が多くてお金に余裕がない方がいい人たちで
高級マンションに住んでいて収入もいい方が
人間的に何か欠如しているというのが
よくありがちな人物設定すぎて、ちょっとイヤだな(笑)
以前『ラビットホール』という映画でお金持ち夫婦が
子供を亡くして哀しみの日々をどう生き抜くかという内容に対して
お金持ちなんだからリアリティないという
意味不明な感想を目にしたことがあるんですよ。
でもさ、お金持ちだって、高級な生活をしていたって、
子供を亡くしたらめちゃくちゃ哀しいでしょ。
そして、それゆえに見た目は頑張って平静を装ったりするでしょ。
清貧という言葉のせいなのか、貧乏=いい人たちで哀しみもリアルで
お金持ちは哀しんじゃいけないのかよって感じなのが、どうにも解せない。
とはいえ、アタシは一度もお金持ちになったことないので(笑)
お金に余裕のある感覚はわからないし、 この映画だって
公開時に観に行きたかったけれどお金がなくて観に行けなかったんだもの。
だけれど、この映画はとてもよく出来ている。
そして、父になる、それは、福山さん演じる
良多という父親の 心の成長物語でもあったのですね。
本当の子供である琉晴くんと妻のみどりと良多の三人で
マンションの部屋の中でいい感じになっている中で
流れ星のところで琉晴くんが「ごめんなさい」と顔を覆った瞬間、
もう、涙が山ほど溢れてきてしまって・・切ないね、切ない。
子供は気を遣っているんだよね。どちらの子供も傷ついている。
今更親が違うと言われても受け入れることなんか無理。
何度も何度も思うのです、家族とは血のつながりじゃない。
一緒に育んできた日々で家族になっていくということを。
だって、慶多くんはちゃんと見ていたじゃん、
カメラに撮ってくれていたじゃん、お父さんのことを。
それにしても、相変わらず是枝監督というのは子役の使い方が巧い。
特に琉晴くんを演じた黄升R(ファンショウゲン)くんはいいなあ。
『誰も知らない』の時の次男の子を彷彿させるというか
すごく自然体でいいんですよね。日本の映画は子役のわざとらしい演技で
ウンザリすることが多いので、これからは是枝監督だけが
子役を使ってもいいという決まりにした方が安全だと思いました(笑)


CSにて鑑賞



 

 「四十九日のレシピ」(2013年・日本)

<あらすじ>
熱田良平が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモが熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言い彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子が東京から戻って来て・・・
永作博美、石橋蓮司、荻野友里、中野英樹、執行佐智子、 二階堂ふみ、
岡田将生、淡路恵子、原田泰造、赤座美代子 他 出演
タナダユキ監督作


<感想>
これといった前情報もなしに、なんとなくレシピというタイトルと
石橋さんや淡路さん赤座さん、執行さんなど渋めな方たちを
キャストに集めている感じなので 録画しておいたのを観たのでした。
荻野さんと中野さんが演じていた 若い時の二人がとてもいい感じ。
でも、全体的にノレないまま終わってしまった感じ。
特に主人公の女性の夫が自分の親の介護をさせて
その間に他の女と子供を作って、その上、やはり離婚は出来ないから
一緒にいてくれっていう人間のクズみたいな男でして・・
ま、だけれどそれ自体は他の映画でもあったキャラなのだけれど
なんかね、こんな男のところに戻っていく説得力が
この映画の中ではあまりにもなさすぎて失笑です。
演じている夫役の方も棒立ちというか、ただ漠然とという感じで
映画の世界に連れて行ってくれない。佇まいがわざとらしい。
浮気相手の女性の描き方もただのイヤな女にされしまっていて気の毒。
年表の空白で乙美と百合子の空虚やどんな人生にだって
空白なんかないよ誰にでも何かが必ずあるよということなのかもだけれど
空白だっていいのにね。ただ生きているだけで素敵なのに。
世の中には誰かの踏み台ですらない人だっていっぱいいるのよ、と。
真っ白の年表だっていいじゃん、と勇気を出して言ってほしいという願いをこめて
色々ガマンして最後まで頑張って観たけれどダメだった。
でもソースべちゃべちゃのコロッケパンは食べてみたいな(笑)
きっと、あの日が最期になってしまったのですね、
なので後悔のようなものがあって、ずっと食べられなかったのかな。
あそこは好きでした。そういう意味では、あの年表の場面は
どんな映画にも好きな場面はひとつくらいはあるかもしれない、
そう思って肯定的に観ることが大切だよと
監督の自分の作った映画へのエスケープ的なものだったのかと
意地悪な解釈をしてしまったり、病んでいるね、アタシ・・
すんません、こんな人間が観たからイカンかったのですね(苦笑)


CSにて鑑賞



 

 「チチを撮りに」(2012年・日本)

<あらすじ>
フリーターの姉・葉月と高校生の妹・呼春は、父親が14年前に別の女性のもとに去って以来、母と3人暮らし。そんなあるとき葉月たちの家に父が危篤に陥ったとの連絡が入る。母は死んでいく元夫の姿を見て笑ってやるから写真を撮ってこいと、葉月と呼春に見舞いついでのお使いを命じる。まだ父を許せない葉月、ほとんど姿も覚えていない呼春、それぞれの理由で乗り気でない2人は、父の暮らす田舎町へたどり着くが・・・
渡辺真起子、柳英里紗、松原菜野花、滝藤賢一、二階堂智、小林海人 他 出演
中野量太 監督作


<感想>
いいよね、でっかいオニギリが美味しそうだ(笑)
それぞれのキャラがとてもよくて佐和と葉月と呼春の母娘はもちろん
アタシは案外、あの叔父さんがとてもいい感じで印象に残りました。
彼の妻は一見デリカシーもなくてイヤな感じにも観えるのだけれど
彼女の立場になって物事を見つめて観ると
いきなりやってきた葉月と呼春に 動揺してしまって、
裏読みしすぎてしまって、 あんな行動に出てしまったのかなとも思えたり
というか現実主義なのだろうな。一筆書いてほしくなったのね、きっと。
でも、ちょっとあぁいう心の通っていない事務的な態度は
あまりにもダサいよ、と映画を観ながらがら思えてきて
人間観察的にも面白く出来ていました。
異母兄弟の少年と葉月と呼春のやりとりにホっとする。
あの少年はもらった連絡先をいつまでも大切にすると思う。
たとえ連絡することがなくても、お守りのようにすると思う。
そして、出来ることなら、それを気持ちよく捨てる日があるといいね。
それがなくても幸せになりますようにと願ってしまった。
捨てるって気持ちいい。捨てていいのだ、骨も。スッキリしたい。
マグロのアレはちょっとやりすぎだけれど(笑)


CSにて鑑賞



 

 「殺人の告白」(2012年・韓国)

<あらすじ>
韓国で、女性ばかりを狙った猟奇殺人事件が連続して発生。捜査を担当するチェ刑事は、ある晩、犯人らしき男を追うが、あと一歩のところで相手を取り逃がすはめに。やがて15年の歳月が空しく過ぎて事件は時効が成立。それから2年後、イ・ドゥソクという人物が、事件の犯人として名乗りを上げ、犯行の詳細を綴った手記を発表。それが一躍世間の注目を集めてベストセラーとなり、チェ刑事はその事態を苦々しく見守るのだが・・
チョン・ジェヨン、パク・シフ、キム・ヨンエ、チョ・ウンジ、オ・ヨン 他 出演
チョン・ビョンギル 監督作


<感想>
なんていうか・・色々盛りすぎでしょ(笑)
内容的にもっとシリアスなサスペンスかと思いこんでいたけれど
大がかりだけれど軽い感じのハリウッドっぽい感じの映画でした。
でも、アイロニー的な感覚もあり、なかなか面白かったです。
殺人犯でもイケメンだったらOKな感じになっていくところとか
その後のファン心理の怖さというか、彼に限って嘘つかない、
殺人は本当にしているとかそういうノリになっていく場面では
なるほど、多かれ少なかれ大衆心理の怖さってあるなって感じたり
つっこみどころもあるのだけれど最後まで観せきるパワーがありました。


CSにて鑑賞



 

 「7番房の奇跡」(2012年・韓国)

<あらすじ>
知的障がいをかかえているヨングは、しっかり者の6歳の娘イェスンの父親。2人は貧しくも、幸せな日々を送っていた。そんなある日、ヨングは不幸なトラブルに巻き込まれ、少女殺害の濡れ衣で逮捕、収監されてしまう。7番房に入れられたヨングはやがて先輩囚人たちに助けられ塀の中でイェスンと感動の再会を果たすが・・。
リュ・スンリョン、 パク・シネ、 カル・ソウォン、 チョン・ジニョン、 オ・ダルス、
パク・ウォンサン、 キム・ジョンテ、 チョン・マンシク、 キム・ギチョン 他 出演
イ・ファンギョン 監督作


<感想>
どうなんだろう、知的障がいの方の演技の時には
必ずマッシュルームカットのような髪型で良い人という
規定があるのだろうかと思ってしまうくらい、なんかこう・・うむむ(苦笑)
他にもつっこみどころ満載で、ツッコミ出したらキリがないくらい
すべての場面につっこみたくなるのに、なんだか最後まで観てしまった。
正直、主役の親子にはあまり感情移入できなかったのだけれど
彼らを次第に応援してくような立場にいた牢屋の仲間たちが面白かった。
特にヤクザな親分役のオ・ダルス兄ぃ。またしてもオ・ダルスさん!
『共謀者』を観た後にこれを観たので、再び場面をかっさらっていくのね!と(笑)
今回は強面なんだけれど、ハートのある人で愛すべき好人物なのでした。
全体的にハートフルコメディ風でありながらも、冤罪などの怖さも感じたりします。
いくら無実を晴らしても、失った命は戻ってこない。それを思うと、
やはり死刑制度というのは廃止しなければいけないと思うのです。
無実の人を殺してしまうかもしれない。怖いことですよ、マジで。


DVDにて鑑賞



 

 「共謀者」(2012年・韓国)

<あらすじ>
中国への船旅を楽しんでいた新婚夫婦のサンホとチェヒ。だが足の不自由な妻のため、サンホが夜食を買いに出て戻ったところ、チェヒの姿が消えていた。車椅子の妻がむやみに出歩くはずもない。サンホは必死に行方を捜すが、なぜかチェヒの持ち物も、彼女が映った写真も消えている。それどころか乗客名簿にも彼女の名がないというのだ。一方、奔走する彼のそばで、臓器密売団のヨンギュらに捕らわれたチェヒは恐怖に震えていた・・。実際に夫と旅行中だった韓国人女性が行方不明となり、臓器を抜かれた遺体で見つかったという痛ましい事件をモデルにした犯罪サスペンス。
イム・チャンジョン、チェ・ダニエル、オ・ダルス、チョ・ユニ、
チョン・ジユン、チョ・ダルファン 他 出演
キム・ホンソン監督作


<感想>
実際に起きた臓器密売事件を元に映画的に描いているのだけれど
いやぁ、怖い。悲劇が重なりあっていく展開にゾっとしたし、
結局、どんなに綺麗事を言ったところでヨンギュにしても
臓器を売買している側は全員同じじゃないかと思う。
そんな中、闇の外科医役のオ・ダルスさんがキャラ濃いよねぇ(笑)
悪人なのだけれど、彼が出てくれると、なぜだか
ちょっと気持ちが落ち着くというかグロくても
楽しめてしまう不思議。良い意味で漫画的な存在なのだと思う。
それにしても恐ろしい。何を信じていいのやら。痛ましい。
それでいて、ちゃんと映画になっている。
実際に起きたことを元にしながらもクライムサスペンスとして
観せるものになっているところが凄いなって思ったのでした。


CSにて鑑賞



 

 「ミス・ギャングスター」(2010年・韓国)

<あらすじ>
ジョンジャ、ヨンヒ、シンジャのおばあちゃん3人組は、それぞれ悩みを抱えながらも、ハワイ旅行という目標に向けて貯金に励んでいた。際どいことをしながらついに目標額をためた3人は、さっそく旅行会社に指定された銀行で振り込み手続きを始める。だが運悪く強盗が押し入り、大事な金が奪われてしまった。しかも手続き未了で銀行側も補償できないという。怒った3人は自分の手で金を取り戻そうと銀行強盗を決意するのだが・・。ドイツ映画「ヤンババ! ばばぁ強盗団がやって来る!」をリメイクした犯罪コメディ。
ナ・ムニ、キム・スミ、キム・ヘオク、イム・チャンジョン、
キム・ヒウォン、キム・グァンギュ 他 出演
カン・ヒョジン 監督作


<感想>
オリジナルのドイツ映画を観ていないのだけれども
韓国のコテコテのコメディかと思いきや
ラストには泣けてきちゃったじゃないのさ・・
死に際に「眠ろうとしているんだよ」って言うの
そして、死んでから思う存分泣くというの泣かせるのです。
・・って、観ていないとなんのことやらですが(笑)
三人のおばあちゃん達が一度も海外に行ったことがなくて
このまま働き続けて、こんな国イヤだ、アタシらは
家族や国の粗大ゴミじゃないぞ、ハワイに行く!という
ハワイ旅行に行くと言う目標があって
それを実現するためにお金をためているのですが
そのお金の作り方が泥棒してきたものを路上で売るという
ねっからのドロボーさん。そんなことで貯めて
やっと旅行代金を振り込もうとしたら銀行強盗にあっててという、
強盗が強盗で重なっていてコメディとしても単純に笑えるし、
おまけにどこかホロリとくる。娯楽として好きです。


CSにて鑑賞



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