ウチでゆっくり映画観るのもいいもんだよね。
*にゃんこマークが、5:永久保存、4:大好き、3:キライじゃないけれど上から別の映画入れちゃえ、2:早送り、1:消去

 

 「愛のむきだし」(2009年・日本)

<あらすじ>
敬虔なクリスチャン一家で育ったユウは、神父の父に毎日懺悔を強要される日々を送っている。罪作りのため女性の股間ばかり狙う盗撮を繰り返すユウは、ある日、ヨーコという少女に出会い一目で恋に落ちるが・・
西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、渡部篤郎、渡辺真起子、
清水優、永岡佑、広澤草、玄覺悠子、中村麻美、 板尾創路、岩松了、
大口広司、大久保鷹、岡田正、倉本美津留、ジェイ・ウェスト、
深水元基、吹越満、古屋兎丸、堀部圭亮、宮台真司  他 出演
園子温 監督作



<感想>
公開時、あまりの上映時間の長さに観る気持ちが
つぶされてしまったのもあるし、予告やチラシを観た時に
なんとなくこういうの昭和に学園祭で映画部の人たちが作るような
古臭いものという偏見があったんですよ、なんだか。
そういうのもあって観るの面倒くさくて手を出さなかったのだけれど
たまたまCSで放送していて流し観していたら、目が離せなくなってしまい
公開から7年経ってうっかりハマってしまいましたよ、どうしませう(笑)
いやぁ、これは・・古臭いというよりも普遍なのですね。
最初に親が自分の都合で意味もなく子供を責めるところなんかは
世の中の親そのものや他人の都合のよさを描いているし
親に受け入れてもらいたくて罪がないのに罪を探し最終的には罪を作り
愛してもらおうとするところなんかは、デタラメでもなんでもいいから
とにかく愛を受けるためだったらなんでもしちゃう子供とか
何をやっても興奮しなかった冷静だった魂が、本気で愛したい人に出逢い
色んなことがあり、血の中を走る思いで最後まで貫くところとか
決して、この長さ必要?と思えない、すべて必見だった。
世間というのはある意味壮大な宗教みたいなところがあって
生まれる前から勝手に押し付けられた善悪があって
でも、その押し付けられた善悪が間違っていたら
どうしたらいいのだろう、どうやったらその間違いがわかるのだろう
いったい何が間違いで何が正しいのか、その世の中に放り出された
ひとりの人間が世の中の決まりごと、他人が押し付けてきたこと
そういうものではなくて、自分の目には何が観えるのか、
何を大切にしたいのか自分で考えて自分の足で歩き生きて行くということは
どういうことなのか、そういうのを勃起やパンチラをこめて(笑)
すべてに中指を立てて描いてくれていて、そういうのを
カッコイイと思う人をダサイよねと鼻で笑っている人を
更に鼻で笑いたくなりながらもいいんだ、と己の足元を見たくなり
そして、シンプルに思いのまま生きたくなる、不思議と元気になる映画体験でした。


CSにて鑑賞



 

 「二郎は鮨の夢を見る」(2011年・アメリカ)

<あらすじ>
銀座に店を構える「すきやばし次郎」の店主で、大正14年生まれのすし職人・小野二郎さんが握るすしは5年連続で「ミシュランガイド」三つ星を獲得し、大きな注目を浴び続けてきた。その味に魅了されたアメリカ人監督のデヴィッド・ゲルブが密着取材を行い、二郎さんの職人としての姿勢や、父を超えようと精進する2人の息子や弟子たちとの師弟関係を映していく。
小野二郎、小野禎一、小野隆士、山本益博 他 出演
デヴィッド・ゲルブ 監督作


<感想>
ミシュランガイドとはそんなにエライものなのでしょうか。
それによって自殺までしたシェフがいるらしいけれど
その評価が命にかかわるということなのでしょうか。
そもそも食事をする店の原点ってなんなんでしょう。
でもまぁ、どちらにしても貧民のアタシには1回の食事に
何万円もかけることなんて無理なので当然この映画に登場する
「すきやばし次郎」にお鮨を食べに行くことなんて
宝くじが当たるかしないかぎりありえないから
このお店の良さや味は知らないのだけれど
二郎さんの息子さんの長男の禎一さんの存在が面白かった。
そもそも三つ星をもらったのは禎一さんが握ったお鮨なのに
二郎さんがスゴイってことになっているところとか
やはり、長男はツライんだなという日本の独特な親子関係とかを
終始優しい穏やかな眼差しで追いかけているドキュメント。
でも、映画というよりフ○テレビでやっているノンフィクションに似ていた。
題材も究極の味を求めるとか老舗の親子とかノンフィクションっぽかった(笑)
それにしても、おまかせコースは20貫ってコワイなあ。
なんかこういうのよくわからないよ・・(笑)


CSにて鑑賞



 

 「ロスト・フロア」(2013年・スペイン、アルゼンチン)

<あらすじ>
アルゼンチン。弁護士セバスチャンは2人の子どもを学校に送るため、アパートの7階にある別居中の妻の部屋へやって来た。エレベーターに乗るセバスチャンは、階段を下りる子どもたちと、どちらが先に1階に着くか競争を始める。だが、セバスチャンが1階でいくら待てども子どもたちは現われない。階段の途中で誰かが誘拐したのか? セバスチャンは管理人や3階に住む警視の力を借りて、姿を消した子どもたちを捜し始めるが・・・
リカルド・ダリン、べレン・ルエダ、アベル・ドルス・ドバル、チャロ・ドルス・ドバル、
オズバルド・サントロ、ルイス・シエンブロウスキー、ホルヘ・デリア 他 出演
パチ・アメスクア 監督作


<感想>
セバスチャンにイマイチ同情できなかったのもあり
ラストもいまひとつ納得できないというか・・
むしろ、間に合わなくて妻と子供を苦い気持ちで見送って
後から、やはり犯罪だよと手紙を送るとか、
そんな展開の方が好きです・・って
自分の好きな展開を言っても意味ないのですが(苦笑)
なんか、こう、もうひとつガツンとくるもんがなかった。
でもセバスチャン役のリカルド・ダリンさんは素敵だし
他の演者たちも渋かった。そういう意味では
画的には飽きずに最後まで観ることができたけれども。


CSにて鑑賞



 

 「ブルー・リベンジ」(2013年・アメリカ、フランス)

<あらすじ>
とある海辺で廃車同然のボロ車の中で寝泊まりしながらひっそりと暮らす、ホームレスのドワイト。ある日ドワイトは、顔見知りの警官から、彼の両親を殺して服役していた殺人犯が、司法取引によって刑務所から近日中に釈放されるという意外な話を聞かされる。復讐心に燃えるドワイトは、釈放当日、憎い男の後をつけ、相手の男の隙をついてナイフで刺殺するが、今度は男の兄弟たちから自分の命を付け狙われるはめとあいなり・・
メイコン・ブレア、デヴィン・ラトレイ、エイミー・ハーグリーヴス、
ケヴィン・コラック、イヴ・プラム 他 出演
ジェレミー・ソルニエ 監督作


<感想>
映画は嘘だから復讐ものというのは 結構スカっとするはずなのに
これは全然スカっとしない。
むしろ、もう、ヤメなさいと言いたくなる。
そりゃ復讐したくなるのは痛いほどわかる。
両親は殺されたというのに殺したやつは生きているなんて
そんなの理不尽すぎる生かしておくわけにはいかないけれど
傷つくのは結局アンタだよと言いたくなるほど
主人公のドワイトの行動が危なっかしい。
とはいえ、なんだかんだと最後まで観てしまう。
子供の頃にテレ東で放映してくれていた
B級チックな懐かしテイストもあり。
しかし観終わって、この映画は第66回カンヌ国際映画祭で
国際批評家連盟賞を受賞したと聞き、え?ってなった(笑)
66回の時のカンヌの批評家たちって、誰だったっけ。
この映画を推した理由をなんとなく聞いてみたくなった(笑)


CSにて鑑賞



 

 「サムソンとデリラ」(2009年・オーストラリア)

<あらすじ>
変わらない時間が流れるアボリジニの村。二人の少年少女が、自分たちの未来を探すために旅に出る。しかし、そこに待っていたのは、現実という名の厳しい世界だった・・
ローワン・マクマナラ、マリッサ・ギブソン 他 出演
ワーウィック・ソーントン 監督作


<感想>
ガソリンを吸った世界はぼんやりと優しいのだろうか。
起きがけにガソリンを吸いながらゆるやかな音楽のように過ごすサムソン。
何もすることがない、何も出来ない毎日。
ここでは何かがあると 容赦ない暴力がある。
サムソンが兄たちのラジカセから聴こえてくる音楽にあわせて
踊る場面が素敵なのだけれど見つかるとボコボコにされてしまった。
それは後にデリラのおばあさんが死んでしまった時もそうだった。
近所の人たちがデリラに石を投げつけ、まるで石の雨嵐のように責めていた。
サムソンはデリラに恋をしていた。ひと目惚れってやつだと思う。
デリラはアボリジニアートという点描画をしている
おばあちゃんとふたり暮らしだった。その画を白人が買い付けに来て
その収入源で暮らしている。そこへサムソンが転がりこむ。
最初は拒否しているデリラだったけれど、いつの間にか三人暮らしになる。
そんな矢先に、おばあちゃんが病気で逝ってしまった。
それを責める近所の人たちの石攻撃なのだった。
ここまで、ほとんどセリフがない。それでも伝わってくる汗の匂いや
照りつける太陽。そうして、生きていくことの辛辣さ。

ここにはもういたくない。
意を決して二人は夢をみるように都会に行ってみる。
しかし、現実は容赦ない。アボリジニアートとかを展示したり
売ったりしているお店にデリラのおばあさんの作品があったので
絵心があった彼女も点描画を描き作品を手に立ってみるのだけれど
あっちへ行けと追い払われてしまう。
作者が置かれている状況を知らずに出来上がったものだけを
自分にとっては害のない場所でやりとりする人たち。
アボリジニアートでお金儲けしたり それを買う人たちは
アボリジニに対して差別意識が今もあるというのを
この場面だけで深く表現していた。
見たくないもの現実や都合の悪いものには蓋をして
自分が楽しいと思えることだけを受け入れる都合のいい人たちの本質を
たったひとつの場面で感じることが出来て、映像の力を感じた。
デリラは追い払われるだけじゃなく、暴行されて強姦されて
交通事故にまであい もう、地獄絵のごとくの日々を過ごす。
その間、相変わらずサムソンはガソリンで現実逃避。
もう、生きているのが奇跡なくらいのガソリンな日々。
ふと、デリラがいなくなったことに気が付き、
自分がひとりぼっちになってしまったとなった時の涙が忘れられない。
それでも、ぼんやりとした希望の欠片を
指からこぼれおちない程度に感じるラストは 少しだけ温かかった。
支え合う無口なふたりの優しい笑顔が心に残る。
哀しくて残酷で少しだけ温かい。切ない、とても切ないです。


CSにて鑑賞



 

 「バウンス ko GALS」(1997年・日本)

<あらすじ>
土曜の午後の渋谷。コギャルのマルはおじさんと援助交際でホテルヘ。が、その男はヤクザで逆に脅されて学生証と携帯電話を奪われる。一方、家出少女リサは、ニューヨークへの旅行資金の足しにアダルトビデオに出ることに。が、撮影中にヤクザが乱入してきて持ち金の35万円をとられてしまう。そして・・
岡元夕紀子、佐藤仁美、佐藤康恵、役所広司、
村上淳、矢沢心、桃井かおり、小堺一機 他 出演
原田眞人 監督作


<感想>
初めて観た時からだいぶ経っているというのに
今観てもその瑞々しさは健在でいい映画というのは
時代を描き、経っても色褪せないのだなとしみじみ思う。
援助交際、エロ、ヤクザ、慰安婦問題、差別・・・
そんなあらゆる闇の中でその日を生き抜き頼りない約束を信じながら
彼女たちなりのケジメのつけ方に泣きそうになる。
「愛している」という言葉を日本語で真っ直ぐ聴いて
これほど、照れくさくもなく、涙が溢れてきてしまうのは
後にも先にもこの映画だけかもしれない。
泣いて、泣いて、もうはるか遠くに別れを告げたはずの
自分の中の何かが目を覚ました気がした。
それは実態のないものでもあり、実態のあるものでもあり、
その日、その時を生きる、あの感覚。
頼りない明日と、今と。何度観ても思う、青春映画の傑作です。


CSにて鑑賞



 

 「紙の月」(2014年・日本)

<あらすじ>
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまう・・
宮沢りえ、小林聡美、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、
石橋蓮司、近藤芳正、中原ひとみ 他 出演
吉田大八 監督作


<感想>
ほんの些細なことがきっかけになるあの感じは
本当に些細なことだけに、逆に痛みが感じにくい依存性というか
中毒性があるのかもしれない。
ちょっとだけ、・・・あとで戻しておけばいい・・
きっかけはそこだったのか、あるいはもっと前
腕時計のすれ違いに描かれていた存在の薄さだったのか
あるいは子供の頃の異常な募金感覚も関係あるのか・・
何かを決心してやりとげると決めると
たとえ、盗んでまでもやりとげてしまう精神は
すでにあったのか、ほめられたいのだろうか、
たとえ誰かを傷つけてもいい自分さえ全うできれば。
だけれど、なんだか、やっぱり共感できないのだ。
そして、そのうち、主人公の梨花よりも隅さんの方がカッコイイと思えてくる。
たとえ、ラストカットの禁断の果物をかじる
まるで何かのCMのような宮沢さんが画的に美しくても
観終わったあと、一番カッコ良くて真の美しさを放っていたのは
小林さんだったよなと思ってしまった。
何もかも捨てて逃げることが出来て、紙の月のように偽物でもいいから
その場その場をやり過ごしてみせかけだけでもいいからと
生きていくのは、疲れるでしょ、だって嘘の上塗りなんだもの。
それよりも、たとえ同じ景色をこれから何年もみることになろうとも、
自分の足で立ち、がっつり自分らしく生きていく方が魅力があるわけで。
どう生きるかということなのか。
ま、どう生きても人生は本番一回こっきりなのだからね。


CSにて鑑賞



 

 「夏の終り」(2012年・日本)

<あらすじ>
結婚して子どももいる年上の作家・慎吾と長きにわたって一緒に生活している知子は、慎吾が妻と知子の間を行き来する生活に不満もなく、妻と離婚してほしいと思ったこともなかった。そんなある日、かつて彼女が家庭を捨てて駆け落ちした相手の涼太と再会。それ以来知子の心は揺らぎはじめ、慎吾との関係を継続させつつも涼太と以前のような関係に戻ってしまい・・
満島ひかり、綾野剛、小林薫、赤沼夢羅、安部聡子、小市慢太郎 他 出演
熊切和嘉 監督作


<感想>
コロッケを頬張るところからして、なんだか好みの視点とリズムで
単純に映像を眺めているだけで愉しかった。
隅々まで美にこだわっている、音も。
ひとつひとつが詩のようで、太く大切な部分を
わざとサラリと撫でているだけにしているようなこの感覚好き。
一緒に死んでくれと言われる方がいいのか
一緒に死んでもらうのは可哀想だと思われる方がいいのか
それぞれの居場所はどこにあるのか。
時代的には成瀬映画の時のなのかなと思うと
女と男がこんな感じになるのもわかる気もする。
成瀬監督だったら、知子がデコさんで慎吾さんが森さんだったろうか
わぁ、その『浮雲』コンビで観てみたかったねぇ。
とにかく、観終わった後、すぐにコロッケ食べた・・
出来たてコロッケは美味しかった・・(どうでもいいか・笑)


CSにて鑑賞



 

 「ザ・ベイ」(2012年・アメリカ)

<あらすじ>
メリーランド州チェサピーク湾の海辺の町クラリッジ。ある日、2人の生物学者が湾の海水に高濃度の毒性があるのを発見し、市長に警告する。しかしパニックや風評被害を恐れた市長はそれを無視してしまう。そして7月4日の独立記念日。町がお祭りムードに沸くなか、チェサピーク湾に疫病が発生。人々は突然変異した寄生虫によって次々と肉体をむしばまれ、町は地獄絵図と化す・・
ケサー・ドナヒュー、スティーブン・クンケン、ウィル・ロジャース、
クリステン・コノリー、フランク・ディール、 他 出演
バリー・レビンソン 監督作


<感想>
バリー・レビンソン監督といえば『ダイナー』『ナチュラル』
『グットモーニング ベトナム』『レインマン』などなど、
質のいい映画を作る名監督というイメージあったし
彼の映画は日本でも公開されるのは当たり前だったのだけれど
『ジミーハリウッド』あたりから未公開になることが多かった
(でも、これアタシ好きなんですがね、
 だってニット帽かぶっているスレーターがカワイイしね・笑)
今でこそ、どんなにいい映画でも海外の映画が
あまり公開されなくなってしまったけれど
『ジミーハリウッド』ぐらいの時は、まだまだ
海外の名監督の映画は普通に公開されていたので
何かあったのかなとボンヤリ思ったり
けど、詳細はわからないし・・で、忘れていた頃に
CSの番組表にバリー・レビンソン監督の名前を発見し
最近の映画っぽいので録画して観てみた『ザ・ベイ』
ホラーもの?パニックもの?環境系?ようわからん(笑)
映像から発せられるものは製作費のある
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』っぽい感じです。
で、つまらないのかといえば、そんなこともなくて
最後まで観てしまう力はあるのだけれど
中途半端なB級感なのでかえってダサいんですよ。
むしろ、バリバリの安っぽさの方が観ていて愉しいのに
なんとなく惜しい感じが残ってしまって爽快感ゼロです。
こういう映画に爽快感求めるアタシもどうかしているけれど(笑)
気持ち悪い〜!きゃー!そんなとこに逃げ込むなよー!
オイオイそれは逆にぃ!とか、きゃっきゃと突っ込みながら観るのが
こういう映画の愉しさなのに、無駄にリアルにしているので
お刺身とか生魚は食べない方かいいかしらねぇ・・とか、
マジに受けとめてしまうので、なんかね、もうねぇ・・(苦笑)
確かに実際、危険な寄生虫がたくさんあるんですがね。
とにかく、頑張れ、バリー・レビンソン監督、まだまだ撮ってください。
いつか、再び、名作を!待ってます。


CSにて鑑賞



 

 「96時間」(2008年・フランス、アメリカ、イギリス)

<あらすじ>
アメリカ政府の秘密工作員として家庭を顧みずに幾多のミッションをこなしてきたブライアン・ミルズ。現在は一線を退き、ボディガードのバイトなどで小銭を稼ぎながらカリフォルニアで孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、別れた妻レノーアと一緒に彼女の再婚相手である資産家のもとで暮らすひとり娘キムの17歳の誕生パーティーが開かれ、ブライアンもお祝いに訪れる。やがて、親友アマンダと海外旅行へ行きたいというキムに押し切られ、不安ながらもパリ行きを承諾するブライアン。しかし、キムは初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐されてしまう、そして・・
リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、リーランド・オーサー、
ジョン・グライス、ファムケ・ヤンセン、ケイティ・キャシディ 他 出演
ピエール・モレル 監督作


<感想>
すんごい大変なことになったというのに
ホントだったら絶体絶命っぽいのに
お父ちゃんが助けてくれた、すげー!ってノリで
そのまま終わっていく潔いアクション映画・・。以上!(笑)


CSにて鑑賞



 

 「危険なプロット」(2012年・フランス)

<あらすじ>
作文の添削ばかりで刺激のない毎日に嫌気が差している高校の国語教師ジェルマンはクロードという生徒が書いた同級生とその家族を皮肉った文章に心を奪われる。その秘めた文才と人間観察能力の高さに感嘆したジェルマンは彼に小説の書き方を指南する。かつて諦めた作家になる夢を託すようにして熱心に指導するジェルマンだがクロードの人間観察は次第に過激さを増すように。そして・・
ファブリス・ルキーニ、クリスティン・スコット・トーマス、
エルンスト・ウンハウアー、 エマニュエル・セニエ 他 出演
フランソワ・オゾン 監督作


<感想>
教師のジェルマンの迷走っぷりがコメディとシリアスの
真ん中を走っているようで地味に見応えあり。
小説なのか現実なのかその一線が曖昧になっていく。
人にはそれぞれ隠されたドラマがある。
たとえ表面上は普通の家庭にみえても。
ちょっと『裏窓』を彷彿させるものあり。
それにしても、やばいです。
クロードくんが古風な独特な雰囲気のある美少年で
もうね、映画とかそっちのけで延々と眼で追ってしまうわ(笑)


CSにて鑑賞



 

 「チャイナ・シンドローム」(1979年・アメリカ)

<あらすじ>
キンバリー・ウェルズはアメリカの地方テレビ局の女性リポーター。硬派ニュースの記者を志していたが普段は日常のたわいもないニュースを担当していた彼女だった。キンバリーは原子力発電所のドキュメンタリー特番の担当となり、カメラマンのリチャード・アダムスとともに取材に赴く。コントロールルームを見学中、原子力発電所は何らかのトラブルを起こしたようだった。そこは撮影禁止の場所だったにもかかわらず、アダムスは密かにそのときのコントロールルームの様子を撮影していた・・
ジェーン・フォンダ、ジャック・レモン、マイケル・ダグラス、スコット・ブラティ、
ウィルフォード・ブリムリーリチャード・ハード、ジェームズ・カレン 他 出演
ジェームズ・ブリッジス 監督作


<感想>
何か問題が起きた時に真実を隠すという心理はどうして起きてしまうのだろう。
パニックが怖いのか、責められるのが怖いのか
真実を公表しても責められるのなら一瞬だけでも隠しておきたくなるのだろうか。
チャイナシンドロームとはアメリカの裏側の中国まで
メルトダウンした核物質が突き進んでしまうだろうという言葉の例えで
その事故がどれだけ恐ろしいことなのかというのを表しています。
恐ろしいことを隠すことの恐ろしさ。
板挟みになり内部告発をした制御室長役のジャック・レモンさんの
汗ばみながらの演技は、ちょっぴりオーバーアクトにも見えつつも
大きなことを抱えすぎた男のギリギリの狂気のようなものも感じられて
こちらまでハラハラドキドキしてしまうものがありました。
いや、しかし、この映画がもっともスゴイのは
これだけシリアスな題材でありながらも映画ショーのように
娯楽として観るように作られているところ。
社会派としてガチガチに硬派にすることも出来たかもしれないけれど
でも、そうすると観る人を選んでしまう。
やはり、たくさんの人たちが気楽に観て、観終わった後、
ふと、でも、これは怖いことだよね、とか、
何かを色々考えたり話たり出来るように作られているのが
何より巧いなと しみじみ思うのでした。
そして、これは原発のことだけじゃなくて あらゆることにつながる。
人間がやることは完璧なことはないわけで
どんなことにも間違いや手違いがあるわけで。
その時、どう行動するか。きちんと真実をあきらかにして
問題の修復に全力を注げるのかということなんだと思う。
隠すのではなくて、何もかもを公表することの大切さ。
最近のことでいえば食品偽装なんかもそうだし、
建設問題なんかもそうだし。あとからずるずる出てきても
手遅れになったら取り返しがつかない。
命にかかわること、すべてが、全部。
そうやって観終わった後、様々なことを思える映画だった。
それにしても、マイケル・ダグラスさん!若いっ!
製作年を思えば当り前なんだけれど、若さが新鮮。
時代を戻って、行ったり来たりできる、映画って面白い。


CSにて鑑賞



 

 「ケープタウン」(2013年・フランス、南アフリカ)

<あらすじ>
ある日、南アフリカのケープタウンで、引退した人気ラグビー選手の娘が殺害されるという事件が発生。2人の刑事ブライアンとアリが捜査を続けていくと、少女とある薬物の売人の関係が明らかになる。その危険な薬物は、ここのところ頻発している子供失踪事件の現場に残されていた物と同じで・・
オーランド・ブルーム、フォレスト・ウィテカー、コンラッド・ケンプ、ジョエル・カエンベ 他 出演
ジェローム・サル 監督作


<感想>
解決したいのに、前に進もうとすればするほど
行き止まりばかりの路をぐるぐるまわっているようで
しんどくなってくる。体中が乾いてくる。
南アフリカではアパルトヘイトを撤廃したはずだった。
けれど、どんなことでもそうだけれど
撤廃したという行為だけでは根本的に撤廃はされない。
独り独りの中に差別意識があれば、
たとえ撤廃されていても根強く差別は生き残っている。
砂漠のラストシーンが忘れられない。あまりにも哀しい、あまりにも。


CSにて鑑賞



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