「歩いても 歩いても」 (2008年・日本)
<あらすじ>
ある夏の日、元開業医の横山恭平とその妻とし子が2人きりで暮らす家に次男の良多と長女のちなみがそれぞれの家族を連れてやって来る。何気ない団らんのときを過ごす横山一家だったが、この日は15年前に亡くなった長男・順平の命日だった。そして・・ 阿部寛、夏川結衣、樹木希林、原田芳雄、田中祥平、YOU、高橋和也、野本ほたる、 林凌雅、寺島進、加藤治子 他 出演
是枝裕和 監督作
<感想>
歩いても、歩いても小舟のよぉぉに・・・そうですか、
歩いても歩いてもってブルーライトヨコハマなのですか・・
よくわからんのですが、確かにトウモロコシの天ぷらは美味しそうですね。
でも、ウチは貧乏なので、あんなにたっぷり油使えません(笑)
まぁでも、昔はアレか、油何度も漉して使ったかもね。
その名残であんなにたっぷり使うのかね。母が作る料理たち、
口下手な父、兄ばかり注目されていじけて大人になった次男、
色々秘密がある女たち・・・それでも優しい兄の命日に皆で集まって
小さなヒビや傷や毒はあれど、和やかに時は流れ、
結局、行けずじまいだったサッカーと乗せてあげられなった車を
少し後悔しつつも元気なうちには親の顔を見にいけ、
でも、お互い温度差があるな、そこが切ないなってことなのでせうか・・
あぁ、イヤだ、こんな気どったノスタルジー。作られすぎたノスタルジー。
いや、えっと、いいんですけどね、これ、ほんとに是枝監督の映画なの?
アタシ、彼の映画なのでなんの疑いもなく録画して観たんだよ。
公開時に観に行けなかったけれどCSで放映されていて
かなり評判もヨカッタから期待とかそれ以前の気持ち、信頼ってやつで。
だって『誰も知らない』『空気人形』『そして父になる』・・
出逢った映画全部ヨカッタからそうなると無防備になるし、
是枝監督=好きってことになり、なんの抵抗もなく観たのだよ、
そしたら、転んでしまった。それも大きな擦り傷作るくらいにべちゃっと転んだ。
なんかね、皆色々あるけど、一緒に集まるっていいね、って言う感じの
こういう映画、一番嫌いなんだ、まるで良く出来たファミリー保険CMの
寄せ集めかよってな。しかし、最近、邦画でこういう映画多い。
一見、癒し系の映画・・もう、甘ったれすぎて、嘘くささ全開で、ダメだ。
キツイのだよ、いい加減その路線やめませんかね。しかも、必ず、葬式か命日。
そう思うと伊丹監督の『お葬式』とイム・グォンテク監督の『祝祭』は傑作だった。
どちらもお葬式に集まる人たちを描いた映画だけれど、このくらいの力技で
ガッツリと人間模様を描いてくれないと映画として観てられんのですよ。
でも、樹木希林さん演じる母親が兄が助けた子が命日に
お線香あげに来る時のあの心情には心の闇を感じるし、
ある意味、共感も出来たりもしてね、あそこはこの映画の中で
唯一気持ちが映画と向き合った感じになれたけれども。
・・っていうか、よくよく思えば是枝監督の新作の『海街diary』も
家族たちが命日のような、葬式のような時に集まる話だよねぇ・・・
でも、メイキングのようなものを観た時は監督が成瀬映画に拘ってくれていたり
捨てられた子供や血のつながらない家族などに拘っているのもわかって
ちょっと面白そうとは思ったのですが・・・『歩いても 歩いても』の
後遺症があるので、どうしよう(爆)だけれど、逆に、ここで転んだせいで
ヘンに信用しすぎずに冷静に映画に向き合えていいかもしれない。
なのでせっかく気にしたのだから新作も観に行く気持ちはあるよ。
いやいや、それにしても、なんだか、勝手に好きになった男に
勝手に裏切られたような、そんな気分になった映画でした・・(笑)
ある意味ウチで観てよかった。映画館で観てたら立ち直れなかったかも(泣)
CSにて鑑賞 |